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公共R不動産

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「国土交通省のレポート「公的不動産(PRE)の民間の手引き」(2017年1月)によると、公的不動産は、日本の不動産ストック約2300兆円のうち約590兆円を占めると推計される。その公的施設の多くは高度経済成長期にあたる1970年代に整備されている。建設から60年程度で更新時期が到来すると考えると、これらの建替えや大規模修繕は今後10〜20年間に集中することになる。」(本文から引用)

 

東京五輪も終わり、先日決定したばかりの大阪万博も終わり、そこから数年経った2030年ころ、日本の不動産・公共空間は大きな変革を求められることになりそうです。その変革、変革の準備は既に各地で少しずつ進められていて、本書では国内外の素晴らしい事例と共にビジネス・デザインの両面から分かりやすく紹介してくれています。

 

変革を進める必要がある要素をざっくりと空間・制度・組織の3つに分け、それらを中心に、なぜ変革が必要だったのか、変革前はどういった状態だったのか、どういったアプローチでまずはテストを行ったのか、そのテストの結果を元に、どのような大きな変革が行われたのかというステップで、大小40ほどの具体的なサンプルを元に、時系列を追って解説されています。

 

変革前から変革後まで、時系列を追った解説・図説がとても分かりやすく、その中で紹介されている具体例も「あ、こんなの地元にあったらいいな」と思わせてくれるものを紹介してくれているので、ワクワクしながら、自分もあんなことしてみたい、こんなことしてみたいと規模は小さくても自分でも出来そうだなと、妄想しながら読み進めることが出来ます。

 

これから空間を利用した何か(飲食店、イベントなど)を始めようと考えられている方には必ず、自分の現状・課題に適したサンプルが紹介されていると思うので是非、参考に読んでいただけたらなと思います。

 

「あったらいいなと思い描く空間は短期間でもいいので実際につくってしまおう」

 

と本文内で書かれているように、まずはこんなのあったらと思い描き、妄想を始め、実現に向けて少しずつステップを踏んでいこうと勇気をもらえる一冊。何かを既にスタートしていて課題を抱えている人にとっては解決の糸口となるアイデアをくれる一冊なのではないでしょうか。

 

とにかく、ユーモアが溢れ、新しい価値感を提供している事例に触れることが出来るので凝り固まった発想が柔らかくなることは間違いなしです。七条河原町にある京都の老舗茶筒屋さんが運営されているKaikado Cafe も1つの事例として紹介されていたので年が明けたら一服しに寄ってみようかなと考えています。

 

公共R不動産のプロジェクトスタディ: 公民連携のしくみとデザイン